島津家伝来
鉄二十八枚張ニ方白星兜鉢(てつにじゅうはちまいはりにほうしろぼしかぶとはち)


鎌倉時代(重要文化資料)
二十八の鉄板を一行十一点の星鋲(ほしびょう)で打ち留めて構成した兜鉢で、
この形式は鎌倉時代中期頃に行われていました。。
本品は島津齋興・齋彬・忠義三代が用いた鎧につけられていた兜でしたが
明治10年(1877年)の西南の戦役の折りに火災に遭い、
兜鉢のみ残って現在に至ったもので鎌倉時代兜として数少ない中の貴重な一頭です。

平安時代から南北朝時代まで用いられた兜は、おもに星兜だったそうです。
およそ十枚から二十数枚の鉄板を矧ぎ合わせた半球形で、矧留鋲(はぎどめびょう)で打ち留められています。
留鋲(とめびょう)の頭が星と呼ばれる事から星兜といいます。
時代とともに星の大きさは小さくなってゆき、星数や行数も増えていきました。
手辺(鉢の頂部)には大きな穴が設けられ、これを手辺(てへん)の穴といいます。


表面は、筋の間の板数を一間、二間というふうに数え、
裏側から矧板の数を数える時は、何枚張りというふうに数えるんだそうです。