厚生省:長寿科学総合研究老年病分野(痴呆関係班)
平成五年度:研究発表会T-1-10 S・Sグラフシステムによる脳波の記録方法より
医療法人聖峰会 佐藤病院 佐藤里子
1.S・Sコードの開発(脳波の記録方法)
2.S・Sグラフシステム装置の開発
パーソナルコンピュータを使用する方法による簡便な脳波の客観的、
定量的評価により痴呆疾患(特にアルツハイマー病)の早期発見及び
治療による症状の推移と脳波の変動との関連性に関する研究
研究目的
パーソナルコンピュータを使用し、脳波の定量的な電位分布情報を表現するS・Sコード(脳波の記録方法特許第1608214号)をさらに発展させることにより、脳波計を介さずに、解析コンピュータと脳波計と同等以上の機能を有する装置を一体化させたダイレクト装置、「SSグラフシステム」2号機の開発をを行い、より簡便な脳波の客観的評価をすることでアルツハイマー型痴呆等の疾患の判定基準の一躍を担い、痴呆患者の早期発見、早期治療、危険因子の予防に役立つことを目的とする。
研究方法・結果・結論
脳波の記録方法として開発したS・Sコードを用い、客観的かつ容易に脳波解析が行えるようになり、通常の脳波計と解析コンピュータを接続することでシステムが完成、今回これを発展させることにより、2号機として通常の脳波計を介さずに、脳波計と同等以上の機能を有する装置とパーソナルコンピュータとを一体化したダイレクト装置を考案し、開発を試みた。
ハードウェアにおいては、ノート型パーソナルコンピュータと同サイズの装置でダイレクトに脳波を測定・解析することができ、小型、軽量化されるとともに、利便性が追求され、操作が容易に行えるようになった。すでに研究を行った健康正常成人の各年代のδθαβ波の電位変動グラフを利用、痴呆患者及び地域社会における集団検診等で正常成人との比較により、容易に脳波解析判定基準におおいに役立つように思われる。
また、本装置は従来の市販のミニコンピュータ仕様の脳波解析装置と比較しても解析能力(FFT)において大差がないものとした。
このダイレクト装置により脳波解析時間の短縮と経時変化の把握、観察が可能であるともに、脳波の異常波形の検出が容易に行えることを特徴とし、S・Sグラフにより脳機能を定量的、客観的に把握し臨床応用に用いることができる。
以上の結果から脳機能測定と同時にアルツハイマー型痴呆等の診断判定基準に役立つとともに、危険因子の早期発見・早期治療・発症予防制御に用いることが可能である。
SSグラフは、介護保険の判定の一部に使われても良いのでないかと思う。
脳波の記録装置:特許第1926031号/特許第1926026号
特許
第1608214号(脳波の記録方法)
第2819401号(脳波および心電図の記録装置)
第1919576号(心電図波形のカラー表示方法)
第2882620号(心臓電位の記録装置)
特許庁ホームページ
「新薬と臨床」第35巻 第11号 別冊
昭和61年11月10日 発行
脳動脈硬化症を伴う神経障害患者におけるメシル酸ジヒドロエルゴトキシンの実験的脳波所見
以上の所にS・Sグラフが呈示されてます。
2001/5/13
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